格安スマホの通信速度は、大手キャリアとは異なります。そしてMVNO(格安スマホを提供する会社のこと)間でも異なり、時間帯によっても大きく異なります。では、格安スマホの通信速度とは、どのように、またどのくらい違ってくるのでしょうか?
通信速度はなぜ違ってくるのか?
まず、通信速度は概ね、
通信速度=通信回線の質・量 ÷ ユーザー数
といった具合で決まります。
ここで、通信回線の質・量に関してですが、そもそもこの通信回線は、docomo、au、SoftBankといった大手キャリアしか所有していません。構築するには莫大な費用と時間が必要なので、新しく作れない状況にあります。
これは、今まで携帯電話市場が数社によって独占されていたことの最大の理由でもあります。
そこで、格安スマホはどうなっているかというと、MVNOは全て、大手キャリアの回線の一部分を借りて運用しています。回線自体は同じものを使いながら、その他のコストカットなどによって低価格や独自サービスを展開する、という仕組みになっています。
ですので、MVNOはどうしても、回線量では大手キャリアに劣ります(質は全く同じ)。MVNOはユーザー数自体も大手より少ないので、回線量の差=通信速度の差ではありませんが、どうしても本家のキャリアの方が、通信速度ではメリットがあります。これが、大手キャリアと格安スマホで通信速度の違ってくる理由です。
MVNO間での通信速度の違い
MVNO間での場合、通信速度の式自体は同じなので、どれだけ多くの回線を借りているか、またどれだけの利用ユーザーがいるのか、の2点で決まります。
そのため、MVNO各社は、より高速な通信速度を確保するため、ユーザー数などに応じて柔軟に確保する回線量を調整しなければなりません。
そして、ここが、どのMVNOにするかを決める大きな要因になります。
というのも、回線を借りるには当然大きな金額が必要なわけで、会社としてはなるべく抑えたいというのが本当のところ。そこで、ユーザーを優先して惜しみなく回線に投資するか、利益を優先してなるべく少ない回線を確保するか、といった明暗が会社によって分かれます。
もちろん企業規模や財務状況によっても確保出来る回線量は変わってきますが、より多くの回線量を確保し、通信速度の向上に努めているMVNOの方が信頼でき、速度も安定することになります。
そのため、各MVNOの長期間の通信速度を比較することで、いかに安定したスピードで利用でき、信頼できる会社か判断することができます。
時間帯による通信速度の差
ここで、式に出てくる「ユーザー数」とは、契約者数ではなく、あくまでその時間帯に回線を利用しているユーザーの数を指します。そのため、時間帯によって通信速度は大きく変わってきます。(例えば、深夜は高速、日中は低速など)
そのため、ある会社の通信速度を比べる時は、時間帯ごとの通信速度を比較する必要があります。実際に、「8時台はこっちの会社の方が速いが、20時台はそっちの方が速い」といったことは多くあります。
優良企業は、利用ユーザーの多い時間帯に重点的に対策をしていることが多いので、時間帯ごとの通信速度をチェックすることで、選ぶべき会社が見えてきます。
※12時台に関しては、一時的に利用ユーザーが激増するため、すべてのMVNOにおいて、通信速度が著しく下がります。